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インタビュー 第4回 武田双雲さん (2)


わたしの「イキイキ・ワクワク・ありがとう」

書への思い

言葉では知らないうちに相手を傷つけてしまったり、どうしても伝わらないことがある。それが「書」だと表現できるんです。だから僕は「書いて」います。

「書」と「言葉」はそれぞれに特徴があり、共存共生していくものだと思っています。相手の受け止め方も違うし、伝わり方も違う。多くの人が言葉は耳で、書は目で受け取りますよね。言葉は主語と述語など、ある程度論理的に伝える必要がある。その点、書は何か象徴的なものがドン! とそこにあるだけで成り立つんです。感性に訴えるというか、言葉じゃ届かない部分にアクセスできるのかな。


もともと書の道に足を踏み入れたきっかけも、そんな感じでしたからね。母はもともと書道家でしたが、特に影響を受けていたわけじゃなかった。NTT時代も会社員の生活に特に不満はなかったんです。僕らの世代全体が、世の中に対する強烈な怒りや嫌悪感、上の世代を否定するようなパワーは持っていません。

ちょっと楽しいけど、ちょっとむなしいし、ちょっと苦しいという感じ……。心の中に鈍痛が続くような状態ですよ。激痛じゃないから、病院に駆け込むこともない。僕の中にも目立ちたがり屋の本性や、野心みたいな気持ちがあったはずなんだけど、どこかごまかして過ごしていたんですね。


そんな時、たまたま母の書が目に入った。「書って、こんなにかっこよかったっけ?」と純粋に思ったのが始まりです。面白いですよね、それまで何も感じてなかったのに、突然「書」が自分の世界に飛び込んできた。つまり、感動の「フタ」が少しずれたんですね。

そして、ついに「フタ」が外れる出来事があったんです。あるとき、「武田、字上手かったよね?」という軽いノリで、独立した先輩の名刺作成を頼まれた。そのときの筆文字が大好評で、次々と依頼がきたんです。すごく嬉しくて、もうその瞬間に会社を辞めると決めていました。


もともと僕は、いわゆる「ものづくり」が苦手だったんです。学校の美術や技術の評価はいつも1か2。ほめられたこと自体も全然なかった。たった一枚の名刺だけど、初めて人のために作ったものがほめられたことで、興奮状態になって感動のエネルギーが噴き出したんですね。

まだ汚い、荒削りの漠然とした野心のような気持ちに火がつきました。そこがスタートです。今は、独立してからの9年間でいろんな壁にぶつかって乗り越えるたびに、それが少しずつ丸く、清らかなものになってきていると実感していますよ。


これからの「武田双雲」


舞台でのパフォーマンス書道や他ジャンルのアーティストとのコラボレーションなど、旧来の概念にとらわれないでいろんな活動をしていますが、僕は決して「書」だけにこだわってるわけじゃないから、結果としてそうなっているんだろうと思います。

実際、ブログでの「活字」や講演でしゃべる「言葉」、もちろん手書きの「書」も使って、あらゆる手段で活動していきたい。だから、オファーがあればCDも出しますよ(笑)。とにかく相手の心に届くまでジャブ、ストレートとパンチを出しまくる。僕がよく言う「真心鉄砲、数打ちゃ当たる」の精神が大切なんです。


自分自身は、常に上機嫌でポジティブだけど、その在り方がまだ定まってない気がします。悲しみや辛さという感情は確実にあるし、それを抱えている人たちとどう対峙していくか、もがいている。

単純にネガティブを否定するだけではポジティブではないし、そんな人間にはなりたくないんです。そもそも人間のバイオリズムは波があるから、感情は常に動いている。その中で一体何ができるのか、模索しているのが今の僕です。


そんな中で、一度ぜひやってみたいと思っているのが「双雲バー」。これは同世代の男性だけを集めた講演会なんですが、女性相手や女性がいる場では言えないような相談や話を、夜通ししてみたい。それによって、参加してくれた人の人生が、少しでも楽しくなってくれればいいんです。

他にもアイデアはまだまだありますよ。とにかく僕は、みんなが元気で気持ち良く生きていけることに関わっていきたい。いい意味でのおせっかいをしたいんです。講演会では無表情だった人が、その後のサイン会で2時間も並んでくれたり、サインにハートを書くとパッと顔が明るくなったり、そういう意外な反応がなによりうれしいですから。




じゃあ、武田双雲はこれからも何をやるか分からない、どんなびっくりが出てくるか楽しみだって思われるかもしれませんよね。でも僕のやることは基本的には変わらないと思います。

ただ、今までやってきたことをより深く、より広く伝えるために生きていきたいという強い思いだけは確実です。そのためには個展も開くし、本も出すし、世界中で「武田双雲」を発信していきたい。すごく楽しい「世界制覇」ですね。 「双雲」という名前の由来は、母の「双葉」から一文字とって、僕の好きな「雲」をつけた。雲には自由なイメージがあるから魅力を感じます。

積乱雲のようなエネルギーに満ちたものもあれば、ポカーンとした癒し系の雲もある。大空に浮かぶ雲のように、いろんな形になって人を元気づけていきたい、というのが僕の大きな夢なんです。


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