健康講座 「髪を取り戻すために」
ここ数年、カウンセリングをしていて"円形脱毛症"の方が増加してきています。
そこで、その原因と対処法について連載いたします。
"円形脱毛症"の原因として、ストレスや緊張感や生活環境の変化などが取り沙汰されてきましたが、実際にカウンセリングをしてさしあげると、「あまり脱毛の原因と思しきストレスや、困ったことがない」という方が多い傾向があります。ただ、単純に質問すると「ありません」と答えられるのですが、抜け毛が発生する約4ヶ月前の生活状況などをさらに詳しくお伺いしますと、「特別なことは無いけれども、仕事が忙しかった」、「受験勉強で大変だった」などと、ストレスとは感じていなくても、大変な時期があったなど、心に負担を感じた時期があった方が殆どです。これを"円形脱毛"の発端として、ご説明しましょう。 では、このようなことで、どうして髪が抜けるのでしょうか。私たちは、意識していなくても、体(特に皮膚)に緊張感が走り、体を過剰防衛するようになり、体内の免疫系に異常が発生し、自己免疫疾患という状態となります。これは、本来、体内に入った異物を攻撃するリンパ球や白血球が髪を作っている毛母細胞が攻撃を受けて、一時的に髪を作れなくなり、脱毛が始まります。多くの場合、円形に脱毛するのは、頭皮の表面にある神経の分布によるものです。
例えば、抜け毛が発生する前に頭皮が痒くなったり、痛みが走ったりすることがあります。ヘアサイクルに沿って抜けますので、最初の兆候があってから約4ヵ月後に円形脱毛は発生します。これは皮膚の一時的な免疫異常による脱毛ですので、皮膚が異常を来す時期には、不自然に皮膚にむくみを感じることが多いのです。この段階で、髪の毛が抜け始めるとだれしもがびっくりされますが、どうあろうとも、3~4ヶ月間は抜け毛が続きますので決してあせらないことが大切です。
次回は、「その後の脱毛経過」をご説明いたします。