ライフスタイルと毛髪 『抗がん剤の副作用による脱毛について③』
━化学療法による脱毛のケア━
今回は、化学療法(脱毛が副作用として発生する。)が終了した直後からのケアを説明いたします。終了直後から1ヶ月位は、育毛剤の使用やマッサージなどは控えていただくほうが良いでしょう。
これは、抗がん剤により毛母細胞と共に、表皮基底細胞、血管内皮細胞も機能低下している可能性があり、回復するまでは、強い刺激を与えないほうがいいからです。
終了後1~2ヶ月が過ぎた頃から行うようにしてください。化学療法後、約2ヶ月後から髪は再生してきますが、髪質としては、クセ毛として生え出すことが多いようです。
原因は、頭皮がたるみ、毛孔が変形しているためです。始めは仕方がありませんが、頭皮をもむようにマッサージし、厚みが出てくるとクセはなくなってきます。(ただし、元々クセ毛の方はその限りではありません。)このマッサージを夜のシャンプー後、毎日3分位続けることで、3ヶ月程しますとクセ毛も元に戻り、髪は元気になってきます。
ただ、白髪につきましては、なかなか効果は出てきません。髪を育てるのは頭皮です。その頭皮環境を整えることはとても大切なことです。
頭皮の直接的なお手入れ方法は、前号で説明しましたシャンプー法と頭皮を揉みほぐすマッサージですが、体調面としては、体の血行を良くするため入浴のときは湯船にゆっくりとつかる(ぬるめで10~15分つかる。)無理のない有酸素運動をする。疲れを感じたら足湯をする。
また、体を冷やさないために、冷たいもの、生ものは極力避けるようにしましょう。ただし、水分は多めに摂るように心掛けます。
また、ホルモン抑制剤や分子標的薬など、その後も治療を続けられることもありますが、脱毛の副作用がない薬でしたら、これらのケアを行っていただいていいと考えられます。髪も体の一部ですので、体を温めることはとても大切なことなのです。