健康講座 「髪の基礎知識 III」
髪は頭皮という皮膚から生えています。マイクロスコープ(50~100倍)で観察しますと、ひとつの毛孔から2~3本の毛が生えています。また、頭頂部の 皮膚は、張っている方があまりマッサージで動きません。マイクロスコープでは、平らであまりデコボコがありません。しかし、後頭部で、首近くの皮膚を観察すると、溝のようなものが見えます。これは皮溝といってゆとりのある皮膚に観察されます。ゆとりがあることは、血行が良いことになりますので、この部分の髪はなかなか退毛しません。
髪が生えている毛孔をさらに観察しますと、ほとんどの方が毎日髪を洗っているのに毛孔に何かつまっているように見えます。皮脂やフケなどがこのくぼみに詰まっています。これはシャンプー法として頭皮をこするだけではくぼみの皮脂はうまく取れないためです。効率よく取り除くには、もみ出すように頭皮を動かしながら洗う必要があります。皮脂は分泌され、一日で酸化されて頭皮を痛め、抜け毛の原因となります。また、皮脂分泌を少なくするためには、頭皮の張りを無くすことが大切です。方法としては、側頭部(耳のまわり)の皮膚を頭頂部に向けて集めるようにマッサージすることです。ゆとりが出て血行が良くなりますと皮脂分泌は減少します。
このように髪でかくれている頭皮をもみ出すように洗い、ゆとりを出すようにできれば、抜け毛は少なくなってきます。毎日の積み重ねが大切です。